2005年10月04日

ラマダーンと正月がやって来た!

今日イスラム教の断食月(ヒジュラ暦9月)ラマダーンが始まりました。ちなみにボスニアではRamazan=ラマザンと呼ばれています。日本のイスラム教徒の間では新月が確認できた翌日からラマダーンがスタートするようで、今晩のNHKニュース10でも都庁をはじめ国内20ヶ所で新月が見えるか確認している様子が紹介されていました。日本のいずれかの都市で新月が確認されればそれがラマザン開始の合図になるそうなのですが、結局新月の姿は一箇所も捉える事ができず、結局日本から最も近いイスラム国・マレーシアの天気を判断材料に5日からラマダーン開始が決まったとの事。
ボスニアも日本同様国内各地のイスラム教徒が新月の姿を今か今かとやきもきしながら待っているのだろうか、と思っていたところ、同ニュースによると国によっては新月の確認有無に関係なく最初からラマダーンの開始日を決めている国もあるそうです。ただ、ボスニアがどちらをラマザン開始の基準に据えているのかは私の知識の範囲外ですが。

ラマダーン中は日の出(Vrijeme sehura)から日没(Vrijeme iftara)まで飲食を一切経つ事になっているのは御存知の方も多いかと思いますが、同じ国内でも日の出と日没の時間に多少の時差がある事はつい最近になって知りました。ラマダーン開始の今日(4日)を例に取ると、サラエボの5:06AMを基準に-4分(5:02AM)から+11分(5:17AM)の間に日の出を迎え、同じくサラエボの6:29PMを基準に-4分(6:25PM)から+9分(6:38PM)の間に日没を迎えるといった具合です。参考までに私が住んでいるデルベンタはサラエボから遅れる事3分で日の出を、そして日没は1分遅れで迎えたそうです。我が家から街のジャミヤ(モスク)は徒歩10分程離れている為気が付きませんでしたが、きっと6:30PMには日没の合図である花火が打ち上げられ、市内のイスラム教徒に断食の終わりを告げていた事でしょう。

盆と正月という例えはちょっと適さないかもしれませんが、ラマダーンと共にやってきたのがユダヤ教の正月「ロシュ・ハシャナ(Ros Hasana)」。他の3宗教(カトリック、セルビア正教、イスラム)と比較すれば信者は少数ですが(某所で確認したところボスニア全土で約1000人との事)、ボスニアにおける主要な宗教として名を連ねています。ユダヤ暦では西暦に3760年足したものが年数になる為、今日はなんと5766年の正月!新年を祝う為の様々な風習の中に、様々な甘いものを食するというのがあるそうですが、これには「甘い良い年」になるように(りんごを蜂蜜に蜂蜜をつけたものを食べる)、「甘く実りのある年」になるように(ザクロを食する)を意味するようです。これに対し日本の御節料理に使われる食材にはどんな願いが込められているのか、改めて調べてみなければ・・・

異なる宗教の2つのお祝いについては勿論国内のマスコミでも取り上げていましたが、TV局でもBHT1(ボスニア全土で放映されている公共放送)ではニュースやトーク番組内でジャミヤからの中継を交えたラマダーン開始のニュースをメインに持ってきたのに対し、RTRS(スルプスカ共和国)の夜7時台のニュースでは逆にラビのコメントやロシュ・ハシャナの習慣を中心に紹介する内容でした。スルプスカ共和国にユダヤ教信者が多いという事でもないのですが、BHTがラマザン中心の報道だったので、バランスを取ったという見方をしてよいのでしょうか?それはともかく、ボスニアという国は様々な宗教のバックグラウンドを持った国だという事を再認識した1日だったのでした。

<追記>最近の事だと思いますが、ボスニア公共放送サービス(PBS)のサイトにマルチ宗教カレンダー(10月/11月分)がUpされています。ラマダーン期間中の各地の日の出と日没の時間もチェックできますので興味のある方はどうぞ
http://www.pbsbih.ba/medjureligijski_kalendar.html
この記事へのコメント
そちらにジューイッシュの方がいるとは知りませんでした。宗派によって、戒律の厳しさには違いがあるようですが、そちらでもキパを被ったりもみあげを巻いたりしている方たちを見かけますか?私がこれまで生活していた街は、夏でも黒コートに黒帽子、カールもみあげに口ひげ、という人たちがたくさん街を歩いていて驚いたものです。ジューイッシュレストランも多く、フーモスなど大好物だったのですが、ボスニアでも見かけますか?
それにしてもMic'oさんのおっしゃるとおり、本当に様々なバックグラウンドのある国なのですね。
Posted by デベラ at 2005年10月05日 10:10
>デベラさま

先日仕事でユダヤ博物館を訪れる機会があったのですが、丁度その前日が「ヨーロッパにおけるユダヤ文化の日」だった事もあり、館内にお祝いで出されたご馳走の一部が展示されてました。それと一緒にジュ−イッシュ料理店のチラシなんかも紹介されてたんですが、それが昔あったレストランのものだったのか、現在も営業しているレストランのものなのかは分りませんでした。某日本関連機関で頂いたレストラン案内には一件も紹介されてなかったので、現在営業中なのはないもかもしれません。断言はできませんが。

一説によると以前ジュ−イッシュはボスニア国内に3万人程いたようですが、第二次世界大戦中ナチス傀儡国家の「クロアチア独立国」によって、ロマやセルビア人と共に虐殺の犠牲となってしまったそうです。サラエボのユダヤ博物館には虐殺の犠牲となった人々の名が記された巨大な名簿が展示されています。ボスニアというのは宗教と共に、先の内戦も含め悲しい歴史のバックグラウンドも背負っている国なのです(T-T)
Posted by Mic'o at 2005年10月05日 17:09
悲しい現実ですね。私は、神道・仏教も含め宗教には全く詳しくないですが、甘いものに託しながら良い新年を願う気持ちはよく分かるし、辛いことも多い人生の支えとして、また家族や自分の安全と幸せを祈る気持ちを捧げる場として、どの宗教も根底に共通しているものがあると思うのですが、それが憎悪の対象になるというところに怖さを感じてしまいます。
「様々なバックグラウンド」が争いではなく、共通の豊かさになっていく日は来るの?と思っても、TVをつければテロの話題ばかり。実際オフィスの隣のユダヤ教会が、私が赴任する以前ですが爆破されたこともあるそうですし、職場に爆弾テロの予告が入り警察の指示で一時避難ということもありました。殺人も。イスラエル在住の人に聞いたら、政府支給でガスマスクを持ってるとか。日本にいるとあまりピンとこないのですが、他の場所でなにが起きているのか知ろうと思うことは大事ですね。何かいろいろ考えさせられました。
Posted by デベラ at 2005年10月06日 02:17
ユダヤ教のお正月に友人のお誕生日があり招かれたのですが、彼女の夫がイスラエル人だったので簡単に新年の乾杯もしました。TVでは意図してかナチスのユダヤ人虐殺の番組をやっていました。
そういえば第一次世界大戦もサラエボでの事件がきっかけでしたよね。まったく、くらくらするような歴史です。

Posted by snow62 at 2005年10月06日 05:41
>デベラさん

宗教施設で話を伺っていても「宗教は異なれど、神を信じるという事には変わりはない」という話題になったりするんですよね。でも、その違いが時には対立の要因になってしまうのは本当に残念な事だと思います。
過去に起こった出来事はどうやっても消し去る事はできません。でも、「だから」これからもも憎しみ合うのか、「だから」これからは過去を忘れずに、かつ未来に向かってお互いによりよい方向を探っていくのか・・マイナスの歴史の連鎖を断ち切るには本当に一体どうしたらいいのでしょうね。(溜息)

>snow62さん

サラエボでオーストリア皇太子がセルビア人に暗殺されたのを機に第一次世界大戦へ、というのは確か中学あたりで習いましたよね。これで生まれて初めてセルビア人の存在を知ったのですが、当時は「セルビアってどこ?」って感じで(^^;)余談ですが、先日仕事で霊感の強い方とご一緒する機会があったのですが、暗殺があった橋のあたりでビンビン感じるらしいです(汗)そうじゃなくて、バルカンって歴史に翻弄されつづけてる土地なんですよね。
Posted by Mic'o at 2005年10月06日 06:32
地理的に東西南北からの脅威に翻弄され、その落とし子として宗教のルツボが出来上がっているバルカン半島は大変な宿命を背負っていますね。本当ですね、「マイナス歴史の連鎖」が断ち切れる日が一日もはやく来ることを願っています。「人類みな兄弟、一日一善!」
Posted by あさこ at 2005年10月06日 08:05
>あさこさん

様々な宗教が混在している事自体は、上手くいけばその国の文化をより豊かにするのでしょうけど。かの有名なクストリッツァの作品「アンダーグラウンド」でも最後の方のセリフに、「なんてひどい戦争だ。兄弟が殺しあうとは」といったセリフ(うろ覚えですが)があったと思うのですが、先の内戦は兄弟が、とはいかなくても昨日までの隣人同士が敵味方に分かれて
戦っていたという惨い戦争でした。内戦後、我が家にも休みの度に他の民族に属するダンナの友人達(国外在住)が遊びにやってきますが、その際に内戦の話になると「お互い、自分がつくべき場所についたという事なんだよな」という話になります。
兄弟であっても、他民族(宗教)であっても、一線を越えず、相手を尊重するという姿勢があったら争いもなくなるのかな〜と考えたりしますが、外部からの様々な思惑が絡んできて事が更に複雑になったりという事もありますしね・・
Posted by Mic'o at 2005年10月06日 15:37
ラマダンって考えただけでも大変そうですよね・・。
我が家には”あり”のような息子が居ますので、日の有る内は食べない飲まない・・
無理だろうなあ・・。
お子さんがいらっしゃる方はどうしているんでしょうか?やっぱりみんな小さいときからの習慣だから大丈夫なのかしら?
すみません・・こんなくだらない書き込みで・・。
Posted by 光ちゃんママ at 2005年10月06日 21:50
>光ちゃんママさん

そちらの方に最近カキコ御無沙汰しておりますが、ちゃんと?ROMっておりますよ〜。光ちゃんの咳の具合はどうですか?

さて、我が家のメンバーにはイスラム教徒がいないのでちょっとネットで調べてみましたが、断食も例外があって、成長期の子どもは免除されるそうです。他にも例外に該当する場合がありますが(妊婦、肉体労働者等)後でその埋め合わせをしないといけないみたい。
何故かラマダンの時期に仕事が入る事が多くて(今年はまだオファーないけど>涙)ムスリムの方々の断食風景を色々観察してるんですが、人それぞれで興味深いです。

夫が一応信仰している正教でもイースターやクリスマス前に断食はありますけど、これは乳製品や肉がダメとか食事制限的な意味合いが強いです。お付き合いで1日正教式の断食をしただけもつらいのに、日の出ている間は口にものを入れてはいけないなんて、やっぱり信仰心が厚くないとできなさそうです。
Posted by Mic'o at 2005年10月07日 00:46
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