2005年08月26日

名前を巡る受難

予測はしていたけど、先日送ったメールへの返信の宛先が
「Gospodja(Mrs)」ではなくて、「Gospodin(Mr)」になっていた(T-T)

現地女性の名前は「A」で終わるのが一般的なので(注:男性名の一部にも「A」で終るものがあります)、私の本名の様に「O」で終る名前、しかも不幸な一致といったらよいのか現地の男性名にも該当してしまう名前だと、もう間違いなく「こいつは男性だ!」と思い込まれてしまう。
先日のメールも何箇所か形容詞や動詞の活用に女性と分る表現を織り込んでみたのだけど、それよりも名前を一目見ただけで先方には「こやつは『』」と何の迷いもなくインプットされてしまったようだ。

これまでに名前のせいで男性と間違えられた例を挙げると

・エアーチケットを購入した際、直接航空会社のオフィスに出向いて予約をいれたにも関わらず、後日チケットを受け取り内容を確認したところ、名前が「Mr ○○」とプリントされていた。
(本人見て「男性」と確信したわけじゃないだろうな?おい?!)

・これもエアチケット絡みだけど、ダンナが電話で家族3人分のチケット予約を試みたところ、トラベルエージェンシーの担当者から「で、あなた達3人の内奥さんは一体誰なの?」と確認された。

・仕事先で名刺交換をした際、「お、これはあなたのダンナさんの名刺だね。それで、君の名前は?」と名を尋ねられた。
(仕事でダンナの名刺を渡す奴がどこにいるのだろう?)

極めつけのエピソードはやっぱりこれかな?

・息子を妊娠中、外出制限が出されていた私に代わってダンナが流産防止の薬を薬局に買いに行った時の事。
ドクターから出された処方箋を薬剤師に渡したところ、その薬剤師から
「ちょっと、あなた!この薬は『女性』に対して処方されるものなのよ。
何かの間違いじゃないのかしら?」とドクターの処方ミスを疑われた。

私が某M○XI内で参加しているコミュで「外国に行くとスゴイ意味になる名前」という内容のトピが立ってたけど、意味的にはスゴイ事なくても、行く先々で何の疑いなく男と断定されたり、綴りこそ違えど発音的には「私の息子」と同じになってしまったり、と行く先々でことごとく受難が待ち受けている名前だと、名付けた親は微塵も思わなかったに違いない。(当たり前だ)
まあ、日本にいた時はいた時で、在籍している学校に一時同姓同名が最高で5人もいたりと、それはそれで紛らわしさがあったのだけど、私が女性である事が少なくとも名前からは分ったしね。(爆)

両国間の名付け文化の違いにより日常生活に支障が出そうな私の名前だけど、だからといって、現地の人がよくやる外国人に現地名を付ける、という行為は心の底から御免被りたい。例えば現地の人に日本名がどうしても発音しづらくて現地の似たような名前で呼ばれる事になった、とか、私がネット上で使用しているハンドルネームの「Mic'o=みーちょ」(ちなみにこれも本来は男性名なんだけど・・)のように、その名前にまつわるエピソードがあるならまだしも、自分達の文化の中に存在しない名前だからという理由で
「これからあなたを○○○と呼ぼう」と勝手に呼び名を決めないで欲しい。

実はボスニアに来たばかりの頃、親戚の一部から
「彼女の事は○○と呼びましょう」と勝手に現地名を与えられそうになったが、当事はまだ賢い嫁の仮面(笑)を被っていたにも関わらず、それだけは即座に「私の名前はあなた達にとって決して発音しづらいとは思えませんし、現地名で呼ばれても返事しませんから」と断固拒否させていただいた。
そもそも、チリ留学当初にクラスメイト達から
「ねぇ、何て名前で呼ばれたい?クラウディア?ガブリエラ?カリーナ?」
と尋ねられた事により、自分が10数年名乗ってきた日本名が否定されたようなショックに襲われた事が現地名で呼ばれる事に対する違和感の発端だったように思う。
もちろん彼女達には私の名前を否定するとかそういった気持ちは皆無だったと思うけど、私にとっては男女間で日常的に行われる挨拶のキスに匹敵する位、結構ショックな出来事だったのだ。否、今だに引きずっているのだから、挨拶キス以上の衝撃だったのかもしれない。


あくまで私が感じるところだけれど、現地名が付けられたからといって、それが現地社会に受け入れられた証とは到底思えないし、それ以前に自分が本来持っている名前が無視されている、という感じすらする。なのに「Mic'o」というニックネームに抵抗がないのは、配達担当の郵便局職員がラテン文字で書かれた私の名前を何故かキリル文字読みと勘違いして呼んだ事から派生したもので
(注:↑の文脈から私の名前の名前を推測されても、プライバシー保護の為コメント等には書き込まれないようお願いします)
別に誰かから私の名前を自分達の文化に合った名前にする為に押し付けられたものでもないし、私を「Mic'o」と呼ぶ人は、ニックネームだけでなく本名で呼ぶ事も多いからではないだろうか。ネットの世界ではプライバシーを明かしたくないのでMic'oの名を徹底させてるけど、私が何者であるのか知った上で付き合いが成り立っているリアルな世界でもMic'oという呼び名だけが広まっていったら、それはそれで違和感を抱く事と思う。結婚後は複合姓にしようと目論んでたにも関わらず諸事情で改姓を余儀なくされた事もあってか、「一生変わらないもの」としての名前に自分のアイデンティティーをより強く感じるようになった気がする。

名前に関しては結構長い事色々考えてきた事もあって、つい、かなり熱く語ってしまった。そのせいで名前の語尾により男性と間違われる受難からいささか本題がずれてしまったけれど、メールを送る際に男性と誤解を受けない為の対策として、差出人として現在は殆ど使用する事のない旧姓を姓と名の間にカッコ書きで付け加える事にした。複合姓にする女性はいても男性は見かけないので、余程鈍い人か、パブロフの犬の如く名前を見ただけで男性と判断してしまう人でなければ、これで女性だと分ってくれる事だろう、と目論んでいる。まあ、それ以前にメールにきちんと目を通してくれよ、と言いたいが。

余談だけど、最近日本人でも国際化に伴って子どもに海外でも通用する(と思われる)名前を付ける傾向もあるみたいだけど、大半の人が視野に入れている欧米(というより米だな)のみならず世界全ての国で読みも綴りも意味も問題なく通用する名前をつけようと思ったらかなり名付け作業が難航しそうな気がするな〜。だったら逆に出自が明確になるよう日本人特有の名前を付けた方がいいんじゃないかな。
posted by Mic'o at 00:00| Comment(15) | TrackBack(0) | BiHココロのメモ帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントを書かせてもらいます。 ヨーロッパの西と東の合間、オーストリア在住の者です。 名前に対する思い入れは私も同じ。 こちらでは結婚しても苗字を変える必要がないので姓もそのまま、国籍もそのままにしました。 まわりには姓も国籍も変えている人が多々いますが・・・。 やはりアイデンテイテイーと強く結びついていますよね、名前って。 共感できる人がいてうれしいです。  
Posted by みゆき at 2005年08月28日 06:12
こんにちは。みーちょさんの受難かなり笑ってしまいました。ゴメンなさい。。。私も、名前は自分らしさの象徴+親から託されたものって大事にしていますので、現地名等は必要なしと思っています。私は海外在住になってから特に日本人としての自分という部分も大切にするようになりました。名前が世界で通用するウンヌンではなく、中身の充実をはかりたいと思っています。
Posted by あさ at 2005年08月28日 11:43
>みゆきさま
はじめまして!コメントありがとうございます。
姓はボスニアでも複合姓や結婚前の姓を名乗っていいのですけど、色々あって(大したことではないんですが・・)結局改姓することになりました。現地名といっても結局呼び名で本名を変えるわけではないじゃない?と思われても、現地名だけが通用して本名が無視されているというのはやっぱり嫌だな・・と。私にとっても名前と国籍、これは自分のアイデンティティーとして譲れない部分です。
よかったらまた遊びに来てくださいね☆

>あさこさま

受難の数々、実は自分でも書いてて笑えました(^^;)男女間違えられて支障が出る時もあるけど、ネタになる名前で逆に得してる(何の?)かも。
例えば、宗教を変える際に洗礼名(イスラム教の場合はなんだろう?)として現地の名前を付けるのとかは分るけど、私は改宗もしてないしね。あさこさんのおっしゃる通り、名前は自分の象徴であると同時に、そこには親からの願いも込められているわけで、やっぱりそこはゆずれないな、と思います。
名前だけ世界で通用する、ではなく中身が世界で通用する人になる為の努力をする、これ深く共感します。語学もボスニア全体の知識も更に追求して、「こいつは日本人の面を被ったボスニア人なのか?!」と思わせる位になりたいですね(笑)勿論、本来の日本人らしさを失ってはいけないとも思ってますが。
Posted by Mic'o at 2005年08月28日 18:05
私も複合姓にしたかったのですが、諦めました。 生まれてずっと使っていた自分の姓名、これでワンセットなんですよね。 結婚にあたって新しい夫の姓を付け足すのはうれしい変化だけど、自分の名前を変えようという気にはなれなかったです。
が、日本で入籍するには改姓するか元の姓をとどめるかのどちらかしか選べませんでした。 複合姓も可能だけど裁判所のフクザツな手続きと時間が必要とのことで、結局諦めました。
セルビアでは婚姻の登録で複合姓にすることができるといわれたのですが、パスポートや他の書類と異なる名前になるとあとあと面倒が予想され、結局元の姓のままです。
Chiharuという名前は、格変化の絡みか、慣れないセルビアの人には違和感があるみたい・・・ Mic'oさんも何か感じますか? 私は気にしてないけど。
子供ができたら、どんな名前にしようかなあ〜っていうのはありますね。 できればセルビアでも日本でもあまり違和感のない名前にしたいなあって思ってます。
Posted by Chiharu at 2005年08月28日 22:20
こんにちは!
実は私も同じ問題抱えてるんです!
私の本名は最後に「スケ」が付くのですが、SUKE、つまりEで終わるのでいつも女性になってしまうんです。
なので会社に来るDMとかは間違いなくFrauが付いてきます。

最近は一番初めの問い合わせの手紙に自分で名前の後ろに(Herr)って書くようになりました。
Posted by von noel at 2005年08月29日 03:47
>Chiharuさま

姓の問題、自分がどうしたいという希望があっても相手の意向もあるし、姓に対するその土地の考え方もあるし、ということで独断では決められないところがあります。ダンナの姓を名乗る事に嬉しさとかは全く感じないんだけど、国際結婚の特権?ともいえる結婚前の姓を維持するというのも、子どもが出来た時に、現地の出生証明書ではダンナの姓、日本の戸籍上は母親の姓が記入されて少々ややこしいという話を聞いています。(例えば子どもの名前をミラン、父親の姓をヨバノビッチ、母親の姓を佐藤とした場合、現地の書類上はヨバノビッチ・ミランだけど、日本の戸籍上は佐藤ミランと登録され、仮に日本国籍を維持して日本のパスポートを作る際には佐藤ミランでの記載になるのではなかったと思います。)
家族としての自分の姓という事を考えると、妥協の産物だったとはいえ、同姓にしたのは良かったのかな、と思います。

格変化で違和感があろうとなかろうと、それが私の名前なんだから、しょうがないでしょ?って感じですよね。自分達の名前だって、日本に行ったら「岩男さん」(ゴランって岩の男という意味だと聞いたので)とかに変わるわけじゃないんだから、あるがままの名前で受け入れて欲しいものです。まあ、習慣でうっかり名前の語尾を「O」から「A」に変えられちゃってる位はご愛嬌として大目にみますけど。

>Von noelさん

お久しぶりです。Von noelさんも同じ悩みをかかえてらっしゃるんですね!笑い事で済むうちだったらいいんですけど、生活に支障が出たからといって名前を変えるわけにいかないし、どうすりゃいいんだ〜!!と思いますが。

自分の名前の後ろに姓が分る敬称を付けておくというアイデアいいですね。早速採用させていただきます☆
Posted by Mic'o at 2005年08月29日 05:33
はじめまして。
An-chanさんの所でここを見つけて、早速読ませていただきました。
名前のトラブル、ありますよね。私の彼も旧ユーゴの人ですが、初めて彼の家族にあったとき親戚の10歳の女の子が私の名前を呼ばず、ヤパンカと言われて寂しい思いをしました。でも後で聞いたら、文法に従って私の名前の語尾を変化させると、いわゆるソーセージの類を意味するセルビア語と同じ発音になってしまうのが理由だったとか・・・。そりゃ、初対面の女性に「ねえ、ソーセージ、」とは話しかけにくいですよね、普通。

Posted by デベラ at 2005年08月30日 02:34
>デベラさん

はじめまして。An-chanさんのところでコメントを拝見させて頂いてました。
うーん、ソーセージと同じですか・・子ども心に色々考えるところがあったのですね。
私も以前知人を通じてPCの見積もりを貰った時に、受取人の名前が「Japanka」になっていて結構ムカつきました。私は日本人だけど、日本人という名前ではなーい!!っての。
Posted by Mic'o at 2005年08月31日 06:54
こんにちは!ルーマニアからdaciaと申します。私はみんなから名前の一部を取って『ヒロ』と呼ばれているし、嫁が日本姓に改姓したので名前に付いては何もイヤな思いをした事は無いのですが、以前髪を染めていた時に病院に行って、その時に医者から『ナゼ髪を染めたの?日本人と思われない様に?』なんて聞かれて『お前はアホか!ゴミルーマニア人が言うな!』とつい言ってしまった事があります。
Posted by dacia at 2005年09月01日 03:26
はじめまして。結婚しても男性の方は殆ど姓を変える人って見かけないけど、ルーマニアもやっぱり女性が改姓するっていうのが主流なんでしょうか?ルーマニアに在住との事ですが、奥さんが日本姓を名乗っている事で日本人の伴侶がいるというのが分らない人達からはあどんな反応を受けているのか気になります。
Posted by Mic'o at 2005年09月01日 15:52
はじめまして、Mic'oさんのHPやブログは以前から拝見していましたが、ブログへの書き込みは初めてです。私自身は日本人として普通に日本に生きているのですが..名前のこと。みなさんの名前がOで終わるからとか、そういう理由で滞在国の名前の流儀にあわせて男にされちゃったり、女に思われちゃったりしていて大変そう!でも、日本にいる私たちは、例えば格闘家の「ミルコ・クロコップ」と聞いてミルコだから女だ!とは..思わないと思いませんか?(ミルコって日本語の音感だとかわいいから女みたい、位には思うけど..)ジョージとかメアリーみたいに聞きなれている名前ならともかく、よく知らない外国の人の名前は分からない!と思う人が多いんじゃないかと、私は思うんですけど、諸外国の人々は、外国人名だからと諦めずに考えようとするんでしょうか..?それともまさか外国人名と気づいてないとか?..ちょっぴり素朴な疑問です..
Posted by さる at 2005年09月07日 09:57
>さるさま

はじめまして!顔の見えないやりとりだと外国名だと気づいていない場合も少なくないのでしょうけど、それにも関わらず自分に馴染みのある名前に変えようとする事も多々あるようです。先日出張先で食事を取っていた際にも、レストランに入ってきた親子づれの子どもの名前をレストランのオーナーが勝手に自分の民族の名前に変えて呼び、それに対して親が「うちの子はそんな名前じゃないわ!」と憤慨するという光景に出くわしました。
つい、いつもの習慣で無意識のうちに名前の最後をOからAに変えてしまうというのは許容範囲ですけど、「馴染みがない名前→現地名を命名」という考え方には妥協したくないな〜と思います。
Posted by Mic'o at 2005年09月08日 07:45
現地名をつけられるのはいやですよね〜。彼氏に欧米女性らしい名前をつけられそうになったことあります。花の名前だったかな。でもブチキレましたけど(笑)彼女の名前くらいちゃんと呼んでよ!とつい憤慨。
ちなみにルーマニア語ではYを外来語以外使わないので、説明なしに音だけで私の名前を聞いたルー人は表記するのが難しいようです。ボスニアでもそういうのありますか?
Posted by じゅきーた at 2005年09月09日 04:02
初めてコメントさせていただきます。チェコ生活日記のゆゆです。名前の問題は、チェコにもあります。Aで終わるのが女性の苗字の基本。でも私は日本の法律上旦那様と同じ男性形の苗字です。ある日買い物をしてカードを出したとき、私のカードでないと疑われました。また、呼ばれるときは必ず女性形で呼ばれますし。日本では名前を間違えることはかなり失礼なこととされますが、ここではしょっちゅうおこります。
また下の名前も、うまく発音してもらえず、いろんな呼び方をされてます。
Posted by ゆゆ at 2005年09月09日 17:17
>じゅきーたさま
彼氏に現地名ですか・・その方が呼び易いからという理由で付けられたのなら抵抗感じてしまいますよね。こちらでは日本の名前や地名に「W」や「Y」が入っていると、容赦なく(笑)こちらの発音にあった綴りに変えられてしまいますが、ハリウッドスター等の名前なんかも本来の綴りではなく、発音に合わせたこちらの綴りになってしまうので、一瞬誰の事か?と思う事が。日本語みたいに文字からして違うならともかく、なまじアルファベットなだけに、スゴイ違和感を感じたりします。

>ゆゆさま
初コメントありがとうございます。チェコでは姓の語尾でも性別が判明するのですか!(驚)
ボスニアでは幸い姓は男性も女性も一緒なのでその辺での問題はありませんが、ゆゆさんのように日常生活に支障が出てきてしまうようでは
本当に困ってしまいますね。お国変われば問題変わる、というか、名前1つとっても色々な問題があるな〜と改めて考えながらコメントの方読ませて頂きました
Posted by Mic'o at 2005年09月09日 20:58
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